奥穂高岳から西穂高岳の縦走は2度目となる。転落や落石にそなえてヘルメットを持参するなど、準備も怠りなく、さっそく奥穂高山荘より置く穂高に向かう。
馬の背
奥穂山頂より瓦を積み重ねたような斑岩の斜面を下り、馬ノ背のナイフエッジを慎重に下る。文字どおり馬乗りになって下りたくなるような岩場です。ナイフエッジでは足は上高地側にしっかり置ける段差があるので、エッジをまたぐのではなく体を出せば姿勢が安定する。
ナイフリッジの下り
馬の背
いちど下ってからロバの耳へ登りかえす。足もとがスッパリ切れ落ちた岩棚をトラバースする。慎重に三点確保しながらトラバースするが緊張感は最高です。
ジャンダルムの頂へは直登を避け、いったん岳沢側を巻いてコブ尾根ノ頭側(西穂側)から登頂する。一歩一歩、慎重に足場を選びながらジャンダルムの頂に立った。ジャンダルムの山頂からは、360度の大展望が楽しめた。とりわけ、ここから見た奥穂高の山体は、今にも崩れそうな岩の積み重ねで迫力満点だ。
ジャンダルムからコブ尾根を通り天狗のコルヘといっきに下る。コブ尾根ノ頭から天狗のコルまでは、この稜線でいちばん長くて急な下りとなる。天狗のコルに近づくと、あたりの岩が、それまでの灰褐色から赤褐色へと変わっていた。岩質はさらにモロくなり、落石にも充分な注意が必要になる。
天狗沢を左に見て、正面の岩場に取り付く。傾斜の強い鎖場を越え、さらにモロい岩場をたどって天狗ノ頭へ。天狗ノ頭は岩屑が積み重なった頂上。小休息には最適の場所。天狗ノ頭から間天のコルには逆層状のスラブの岩肌が見える。
天狗ノ頭から間天のコルには逆層状のスラブを下るが、緊張するルートが続く。大きな岩屏を渡るように進んで下りとなる。逆層のスラブで、靴底が滑りそうな感じです。鎖を利用し、バランスよく降りる。下り切ったところが間天のコル。
間ノ岳へは、ちょとした小ピークらしいところを越えて、逆層の登りだ。鎖を登って間ノ岳の頂上。ここまでくれば岩にも大分なれてくるが、まだ緊張は緩められない。下降は飛騨側のルンゼ(急で狭い沢)状で赤味の岩屑が不安定で、落石に要注意だ。
小さい登り降りをして、岳沢側のトラバースになる。鎖もあるが緊張するところだ。ハイマツの稜線を少し進み、小さいピークを越え、急で狭い稜線を少し登れば西穂山頂だ。笠ヶ岳が目の前だし、歩いて来た岩稜を眺めて、ゆっくり休みたい。