清く鋭く奥上州の名山
上越国境に位置する谷川岳は、その東面に一ノ倉沢という日本の三大岩場に数えられる大岩壁を持つ。一ノ倉沢出合からそそり立つ岩壁の標高差は、実に800mにも及び、まさに仰ぎ見るものを圧倒するスケールだ。
ロープウェイを利用して最も容易な天神尾根から谷川岳を往復し、残った時間を利用して一ノ倉沢の大岩壁を見学する欲張りプランです。ロープウェイを利用して、初滑り、春スキーのメッカとして名高い天神平へ上がる。10分ほどで下り立った場所はすでに標高1320mで、湯檜曽川を挟んで白毛門や笠ガ岳がよく見える。登山道に沿って田尻尾根方向ヘトラバース気味に登り、天神峠から下って来る登山道と合流する。
■宿泊先:土合山ノ家
ロープウェイ駅に近くて登山者にはとても便利です。宿泊者にはロープウェイの割引券がある。館内施設は、収容100名、和室32室、全館暖房、乾燥室完備、大駐車場無料100台
左・天神尾根と右・西黒尾根
しばらくは見晴らしの良い尾根伝いに小さなアップダウンを繰り返して進むが、熊穴沢避難小屋から本格的な登りとなる。息を弾ませて一汗かく頃、尾根の東側正面に肩ノ広場へと続く草原状の大斜面が見えてくる。斜面の末端には天狗ノ腰掛け岩と呼ばれる露岩があり、休憩にちょうど良い。ここまで上がれば、オジカ沢ノ頭から万太郎山、平標山方面へと向かう国境稜線の縦走路も至近の距離で、振り返ると天神尾根の彼方に赤城山や浅間山なども見える。
オジカ沢ノ頭から万太郎山、平標山方面へと向かう国境稜線の縦走路も至近の距離で眺められる。
西黒尾根にのびる稜線にザンゲ岩を望む。
最後の急斜面をやり過ごすと大きな道標のある肩ノ広場で、肩ノ小屋(無人開放)が建ち、ここで西黒尾根からのコースを合わせる。三角点のある谷川岳・トマの耳まではわずかな距離だ。展望は越後三山を始め会津の山々などの展望が望める。山頂の東側(マチガ沢側)はスッパリ切れ落ち、高度感も満点。最高点のオキの耳に足を運んでから往路を天神平へと戻る。
トマの耳の「トマ」とは「てまえ」の意味。 水上・湯檜曽から見て手前(てまえ)にあるトマの耳(薬師岳:標高1,963m)の由来だそうです。
オキの耳(谷川富士:標高1,977m)、谷川岳はトマ・オキの二つ耳が谷川岳と呼ばれるようになっている。
谷川岳山頂から
谷川岳山頂から
天神平・ロープウェイ駅→(01:00)→熊穴沢避難小屋→(01:25)→谷川岳肩ノ小屋→(00:10)→トマの耳→(00:10)→オキの耳