下浦林道登山入口からは踏み跡も明瞭だ。山腹を巻くゆるい登りが左へ回り込むと、付知川東股谷に注ぐ出ガ谷に沿うようになる。出ガ谷右岸のヒノキ林の山腹を行くと、苔むした岩がゴロゴロし、シダが群生するしっとりした雰囲気の道。

　谷はいっそう狭くなり、流れが近づくとヒノキ林の山腹斜面をジグザグに高巻く。再び渓流に沿う苔むしか岩の道を登る。

　渓流に沿う苔むしか岩の道を登ると、炭焼窯跡の石垣が現われる。ひと息入れるのに絶好の場所で、わきの切り株に「最終水場」の標識がある。

　最終水場からは谷の左山腹を巻いていく。今まで聞こえていた瀬音が消えるころ、隣の尾根をジグザグに登りだす。息の切れる急登で一気に高度が上がる。密生した人工林で眺望がない。

　ゆるい登降を繰り返しながら進み、左の樹問に御嶽山が見え隠れするようになると、最後の急登か始まり登りあがると夕森山山頂にたどり着く。御嶽山が間近に望め、疲れが吹き飛ぶ。南には恵那山をはじめ東農の山々、北に井出小路山、高樽山、高時山など裏木曽の山々へ好展望が開ける。