鈴鹿山系の中での最もアルペン的なムードの漂う山頂をもつ魅力的な鎌ヶ岳。今回は、アルペン的醍醐味を味わう鎌尾根ルートからの登山。このコースは鈴鹿きっての難所の多いルートで鎌ヶ岳を目指します。
登山日:04/25

登山口

 水沢峠(すいざわとうげ)への登山口は、カズラ谷登山口前の広場に駐車して出発。駐車場からすぐ車両通行止めのゲートガあり地道と簡易舗装路が交互に現れる曲がりくねった道で内部川に沿って進む。林道が大きく左に曲がるところに『水沢岳登山道入口』の道標があり山道に入る。水沢峠への登路はよく踏まれている。沢を高巻く間で、幾度も山側から落ちてくる小沢や涸沢を渡る時に、踏み跡が切れるので沢に入り込まないように注意したい。崖淵の巻道を抜けて、雑木の絡んだ岩道の急登を登りあがると標識の立つ水沢峠に出る。水沢峠は少しのスペースはあるものの展望はきかない。

水沢岳登山口

崖淵の巻道

難所の馬の背渡り

水沢岳

馬の背渡り

 水沢峠から水沢岳へはいきなりの急登で始まる。木の根を掴んで急登する。入道ヶ岳の展望が広がるガレ場の上に出る。ヤセ尾根をすぎると両側の切れ落ちた砂質のガレ場となる。 『馬の背渡り』と言う手掛かりのない頂部を、足元を見て慎重に渡る。背の高いササの道となり、しばらくすると小さな空き地の 水沢岳(すいざわだけ)山頂だ。山頂は展望もよくないが少し北に歩くと突端に出て鎌ヶ岳の展望が開く。このあたりからみる鎌ヶ岳はまだまだ遠く感じられるが、あとは稜線の起伏にしたがって、登り下りを繰り返しながら次第に近づいてくる鎌ヶ岳の容姿を楽しみに稜線歩きの醍醐味が味わえる。

鎌ヶ岳を望む

難所のきのこ岩

水沢岳から先は急降下となる。ガレの中に『きのこ岩』と呼ばれる岩が点在している。ザレて崩れ易い岩なので岩の間の直登直下は危険である。潅木とザレ地の境を木の枝を掴んで下りる。ここからは展望のよい稜線の道となる。P1028をすぎてしばらくすると大河原との分岐になる。右に折れて進む。

岩頭の小ピークが連続

岩壁を横切る

眼前に衝立岩

 大河原との分岐を過ぎて右に折れて進むと迫力で眼の前に聳え立つ『衝立岩』の岩壁に出る。従来まで衝立岩の左側のくびれた岩の間をロープで上がったが、足場が崩れてここから目印に従い少し下り、鎖のあるところを登る。ここの鎖はやや古いものであり使用には注意も必要である。ここからもガレ場や岩頭の小ピークが連続してアップダウンの繰り返しとなる。

キレットから岩頭

 キレットの岩場を鎖をつかって下りる。すぐ岩壁を鎖を使って慎重に『カニノヨバイ』を横切るとキレットの鞍部である。そこから岩頭に登りあがり鎌ヶ岳岩壁前に向かうとカズラ谷コースの分岐、長石谷分岐をすぎて鎌ヶ岳岩壁前の岳峠に出る。

岩頭から鎌ヶ岳

岳峠

縦走してきた鎌尾根

 岩の積み重なった鎌ヶ岳の岩壁は迫力がある。岩塊が落ちてこないか一瞬不安を感じるくらいである。一息入れてペンキマークに沿って岩の間を登る。コルに出て左に岩場を登り上がると山頂に着く。展望はいうまでもなく大展望を堪能できる。下山はカズラ谷ルートを下山。

岩頭

山頂

鎌尾根と鎌ヶ岳
鎌尾根と鎌ヶ岳
 

■ルートマップ

林道分岐 →(1時間)→ 水沢峠 →(30分)→ 水沢岳 →(50分)→ 鎌尾根への分岐 →(50分)→ 岳峠分岐 →(15分)→ 岳峠 →(15分)→ 鎌ヶ岳山頂 →(10分)→ 岳峠 →(35分)→ 最後の水場 →(30分)→ カズラ滝 →(10分)→ 宮妻林道 → (5分)→ 宮妻キャンプ場駐車場